世界一くだらない鬼瓦?碧南市の奇想天外なモノづくり職人 前編
はるな愛と村上佳菜子が東海地方の話題のスポットに出かけ、“気になる”を調査しながら街歩きする番組『デラメチャ気になる!』。2月21日の放送では愛知県は西三河地方、碧南市に注目。奇想天外なモノづくりに情熱をかける人に出会いました。
西三河で作られ、東京の歌舞伎座の建物に使われているもの、ご存じですか?それは鬼瓦。古くから厄除けとして屋根の端に飾られてきた装飾瓦です。実はこのような陶器瓦の全国シェアは西三河地方が約60%を占めています。広い西三河の中の碧南市に自称・世界一くだらない鬼瓦職人がいると聞き、取材へ向かいました。
出迎えてくれたのは『鬼福製鬼瓦所』の4代目、鈴木良さんです。工場へ案内してもらい、そこにあったのはくだらないどころか、かなり立派な鬼瓦。村上は思わず「春日さんじゃん」と形容します。確かに似ている?
くだらないものはどれなのか聞いてみると、鬼の鼻からティッシュが出てくる『鬼瓦ティッシュケース』を紹介してくれました。「世界一ばかばかしいティッシュケース」と鈴木さんは言いますが、新築祝いや新店のディスプレイとして、300個以上も売れたヒット商品となったそうです。
ユニークな鬼瓦商品を生み出す職人、鈴木さんのコレクションは他にもあります。夏に向けて商品化を検討している風鈴や、「たくさん敷き詰められたレンガの中に鬼瓦が一つ二つあったらおもしろいかな」と作られた鬼瓦レンガ。
極めつけは鬼瓦ヘルメット!安全第一と彫られていますが、瓦なのでぶつかったらもちろん割れます。重さは約3㎏もあるのに衝撃には弱く、実用性はまるでナシ。何の役にも立たないヘルメットですが製作期間は1か月半、完全手作業の1点物です。「なんで作ったん?」と失笑する2人。
これにはちゃんと理由がありました。それは、昨年初めて開催された『くだらないものグランプリ』という大会のため。愛知県の町工場20社が自慢の技術を使っていかにくだらないものを作れるかを競う大会です。結果は「話題をさらったで賞」を受賞。
鈴木さんが100年以上の歴史がある家業を継いだのは14年前。出雲大社祖霊殿や永平寺名古屋別院本堂などの鬼瓦を手掛けてきた先人の技を受け継ごうと腕を磨きますが、鬼瓦の需要は年々減少の一途をたどります。
「屋根の鬼瓦の仕事は辞めないけど、それだけで発展していくのは難しい。需要がないのに腕だけじゃ食っていけない。発信する側に回らないとやっていけない」と、培った技術を活かして新たな挑戦を始めたのです。「鬼瓦はそもそも御守りとして屋根に乗せられてきた。何かに組み込んでその意味を残したい」と鈴木さんの情熱が伝わりました。
後編はこちら
『デラメチャ気になる!』
はるな愛と村上佳菜子が東海地方の話題のスポットに出かけ、“気になる”を調査しながらぶらり街歩きする番組。Locipoでは過去の放送も配信しています。
【放送局】テレビ愛知 毎週日曜日 午後2時30分放送
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/deramecha/
【配信】Locipo YouTube
※記事の内容は放送当時のものです。