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このトラックは公道を走れません。製作期間半年!現役トラック運転手が作る『トラックプラモデル』(後編)「おとなの秘密基地」

車やプラモデル、カメラなど、趣味の世界を楽しむ大人たちに密着してその魅力を調査する『極上ライフ おとなの秘密基地』。2016年~2018年までテレビ愛知で放送され、現在はLocipoでアーカイブを見ることができる。根強い人気を受け、新たに配信用オリジナル企画の制作も進められている。

今回の秘密基地の主は、働く車『トラックプラモデル』をこよなく愛する現役トラックドライバー。本物を知るからこそ再現できる、働く車のかっこよさを徹底的に追求したトラックプラモデルの製作現場に完全密着する。
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働く車

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現役ドライバーならではの視点で、補機類まで忠実に再現!

愛知県津島市在住、現役トラックドライバーの布川丈之さんが製作しているのは沖縄のビールメーカーのトレーラーを模した『トラックプラモデル』1/32スケール。難所である荷台へのデカール貼りを無事に終えた布川さんだが、細部まで緻密に再現するためにはまだまだ大変な作業が続いていく。次に布川さんが作り始めたのは『丁番』。『あおり』と呼ばれる部分を止めるための小さな部品だ。


5ミリ3ミリ

縦5ミリ、横3ミリという小さな部品の塗装を終えると、取り出したのはプラモデル専用のメタルシール。このメタルシールを小さく切り出し、塗装した丁番に貼り始めた。これこそが布川さんのこだわり。本物のトラックで使われていた『メッキになっている丁番』を再現するために、あえて塗装してからメタルシールを貼ったのだ。


本物と見間違える

トラックプラモデルで最も大切なのは小さな部品の積み重ねと言う布川さん。「細かいところで手を抜かないことで完成した時に本物と見間違えるようになる」と話す。どれだけ小さな部品でも手を抜きくことはない。小さな丁番44個全てに一つずつメタルシールを貼り丁寧に仕上げていく。


わずか数ミリの小さな部品だが、荷台につける前と後で比較するとその差は一目瞭然!こうした一つ一つの部品がリアルであればあるほど、働く車らしい仕上がりが生み出される。これが布川さんが目指す『かっこよさ』だ。


ORION BEER

デカールを貼り、丁番を付けてようやく荷台部分が完成。この荷台だけでもこのまま街の中を走っていそうな臨場感が溢れている。しかし作業はこれで終わらない。荷台以外の部分に使う部品作りも進められていく。布川さんが特に力が入るのは、トラックならではの独特な部品が集まる足回り。プラスチックの棒を何本も切り出し、それらを組み合わせて作ったのは『排気ガスクリーナー』。


正方形

実車でも足回り部分についている排気ガスクリーナーは、最近の排ガス規制で付いた部品。これがないと「今時のトラックなのに、なんでついてないの?」となってしまうそうだ。最近のトラックの表現には欠かせない部品も手作りで再現していく、現役ドライバーである布川さんならではのこだわりだ。ちなみこの『排気ガスクリーナー』だけで製作時間はなんと3時間。緻密な作業で仕上げていくからこそ実車そっくりの部品が出来上がる。

『排気ガスクリーナー』以外の必要な部品を一つ一つで再現し、足回りへと取り付けられる。「この補機類のこのごちゃごちゃした感じがなんか、命を吹き込まれた感じでかっこいい」と話す布川さん。部品を付けていく度にどんどんトラックらしさが増し、テンションもどんどん上がっていくようだ。


エンジン周辺機器

部品を取り付けたらいよいよ出来上がり。働く車が持つかっこよさを徹底的に表現した、沖縄のビールメーカーのトレーラー1/32のスケールモデルだ。


沖縄のビールメーカーのトレーナー

製作期間は7ヶ月。デカールをしっかり密着させ、特徴である波板がしっかり浮き出た荷台の美しさがポイントとなっている。トラックならではの独特の部品が集まる足回りも忠実に再現。重厚感漂うトラックドライバーならではのトラックプラモデルだ。しかし、「これで終わり」とはならないのが布川さんの『トラックプラモデル』作り。最後に驚きの仕上げが待っていた。

本物さながらの空気感!最後の仕上げに選んだのは……ビーチ!?

布川さんがやってきたのは、なんとビーチ。


ビーチ

砂浜で何かを探していたかと思うと、ビーチに設けられたコンクリートの階段に、完成した最新作のトレーラーを置き始めた。そしてカメラをセッティングし……パシャリ。


ビーチ

布川さんの最後の仕上げとは完成品を実際の風景の中においての記念撮影。「これやらないと終わったことにならないですね」と布川さん話す。最新作は沖縄のビールメーカーのトレーラーということで、沖縄らしい場所を探して撮影。ちょっと休憩している雰囲気のトレーラーの荷台を沖縄の太陽を照らしてるように見える様は本物さながらの空気感。

ちなみに沖縄らしい場所として選んだのは、常滑市のりんくうビーチ。ヤシの木が立ち並ぶ中、海ではなく道路が入る背景はトラックらしさを追求する布川さんのこだわりだ。「今回も苦労した分、やっぱりちゃんと作品が応えてくれていると思います」と話す布川さん。最後の仕上げにいい感じの一枚が撮れて浮かべた満足げな笑みに、心から働く車を愛する心が伝わってきた。


おじさんとカメラ

『極上ライフ おとなの秘密基地』

【放送局】テレビ愛知 2016〜2018年放送(現在はLocipoでアーカイブを視聴可能)
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/himitsukichi/
【You Tube】https://youtu.be/iaojHzXBPnI

極上ライフ おとなの秘密基地

趣味を通して人生の喜びを追求する、大人のための「知的好奇心」探求番組。

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